音楽のランキングと言えば「オリコンランキング」ですね。
しかし、今新しい形(米国では昔からある)の音楽チャートが日本でも広く認知されつつあります。
※ここでの「チャート」とは音楽ランキングのことを示す
そのチャートが今回紹介する『Billboard Japan Hot 100』です。
「ビルボード」という言葉を一度耳にしたことがある方は多いと思います。ではこの『Billboard Japan Hot 100』とはどんなチャートなのでしょうか?
『Billboard Japan Hot 100』とはどんなチャートか?
『Billboard Japan Hot 100』と『オリコンランキング』ではチャートの算出方法が異なります。下の表をご覧ください。
『オリコンランキング』と『Billboard Japan Hot 100』のチャート算出方法
チャート名 | 算出方法 |
---|---|
オリコンランキング | CD売上枚数 |
Billboard Japan Hot 100 |
CD売上枚数 ・ 歌手、曲名のツイート数 CDからPCへの取り込み回数(ルックアップ) ラジオでの再生回数(エアプレイ) ・ ダウンロード数 |
『オリコンランキング』はCD売上のみのチャートでしたが、『Bilboard Japan Hot 100』は複数のチャートをポイント制にして、それぞれのポイントを合算した複合チャートになっています。
『Billboard Japan Hot 100』の良い点
『Bilboard Japan Hot 100』の良い点は『オリコンランキング』より「共感性の高いチャート」といえる点にあります。
ではなぜ『オリコンランキング』より「共感性の高いチャート」と言えるのか?
それは複合チャートであるからです。昨今、音楽を聴くスタイルが多様化してきました。音楽の触れ方はCDの購入以外にもダウンロードやラジオ、レンタルなど様々です。
このように音楽と接触する場面が多様化した状況では、CD売上だけで世間に納得してもらうチャートを作ることが困難になっています。
その現状に上手く対応できたチャートこそ「複合チャート」なのです。
ビルボードジャパンのチャートディレクターを務めている阪神コンテンツリンクの礒崎誠二氏はリアルサウンドという音楽サイトのインタビューで、「音楽チャート」について次のように話しています。
「今のセールスランキングだとシングルの購買数はあまり減っていませんが、アルバムのほうは減少傾向にあるんです。どういうことかというと、つまりシングルのヒット曲というのが、買っている人はいたとしても、世の中全体にはあまり共感されなくなってきたということだと思うんですよ。
(中略)
今はだんだん「これ、どんな曲だっけ?」みたいな作品が増えている。それは僕らが年をとったからではなくて、シングルのセールスランキングの説得力が落ちたからではないだろうか、と思うんです。だからこそ、共感性の高いチャートを作りたいと思うんです。」
リアルサウンド「ビルボードジャパンが「複合チャート」を作る意味とは? 担当ディレクターに狙いを聞く」より引用
http://realsound.jp/2015/03/post-2795_2.html
昔は『オリコンランキング』も「共感性のあるチャート」でしたが、様々な販売方法の出現によって世間からなかなか納得されないもの(良い悪いは別にして)になってきました。だからこそ礒崎氏は「共感性のあるチャート」を作りたいと考えているのでしょう。
世の中の流行曲を知りたいという方は『オリコンランキング』だけでなく、『Billboard Japan Hot 100』も一緒に見てはいかがでしょうか。
礒崎誠二氏の話をもっと詳しく知りたい方は下にインタビューのリンクを貼っておきますので、ぜひご覧ください。
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